2008-03-01から1ヶ月間の記事一覧

3-5お念仏が容易で万人に開かれているということ

阿弥陀仏が浄土往生のための行為として称名念仏を選択した理由について、ひとつはお念仏が内容的に勝れているということ(勝劣の義)を挙げた。もうひとつはお念仏が誰にでもできる容易な行為であるということ(難易の義)である。 次に難易の義とは、念仏は…

3-4お念仏が内容的に勝れているということ

往生をめざす人が「南無阿弥陀仏」と称名するのは、阿弥陀仏が称名を往生のための行として規定しているからである。その理由で十分なはずではあるが、法然上人はあえてさらに上位の理由、阿弥陀仏がなぜ他の行為ではなく称名を選んだのかを考察している。そ…

3-3阿弥陀仏の本願

阿弥陀仏は、言葉でも想像でも表せないような深遠なる真理を悟っておられるが、真理そのものだけを指して阿弥陀仏とお呼びするのではない。阿弥陀仏は、救いを求める人の前に姿を現して導くが、そんな形でとらえられるものだけを指して阿弥陀仏とお呼びする…

3-2阿弥陀仏と法蔵の話

遠い過去、ある国王が仏の説法聞いて出家し、法蔵と名乗った。法蔵は四十八の誓願を立て、兆載永劫の時をかけてこれを実現し、いまより十劫前に阿弥陀仏となった。遠い過去とは人類発祥以前なのか? 地球あるいは宇宙の創生以前なのか? 国王とはある一人の…

3-1阿弥陀仏

浄土に生まれ変わるためになすべき本質的行為は、浄土をご用意くださった仏の名をとなえること(称名=しょうみょう)であると前述されたが、いまその根拠が示される。 『無量寿経』上巻に、「もし我れ(=阿弥陀仏)が仏位を得たのちに、十方世界の衆生が、…

2-3目的外の行為

浄土に往生するという目的のためにすべき行為の本質は、浄土をご用意くださった仏の名をとなえること(=念仏)であり、またそれについて経典などで知ることや、雰囲気を調えることも、自分を念仏に導くための行為として役に立つ。これらの行為(正行=しょ…

2-2 浄土往生のための行為

この世で仏になることは、とても成し遂げられぬ大きな仕事である。そこで仏の用意した浄土に往生することをまず目指そう。ならば何をなすべきか。一応すべての行為に浄土とのつながりを求められるけれども、後述されるように、浄土を用意くださった仏の名を…

2-1 何を行うべきか

浄土門という目的を定めた。つまりこの世で仏になるのではなく、仏がご用意くださった浄土にまず生まれ変わって、そこで仏になるのをめざすことに決めた。しかし、そのためにはどうすれば良いのだろうか? 何かを行わなければ、浄土に生まれ変わるという目的…

1-4 浄土門に入る

浄土門では、今生きているこの世界で仏となることを放棄し、死後、仏の用意した世界(浄土)に生まれ変わって、その世界で仏になることを目的として設定する。ここで「浄土の存在」「死後の生まれ変わり(往生)」を信じられるかどうかが問題となる。現代の…

1-3 聖道門を捨てる

この聖道門の大意は、大乗仏教であっても小乗仏教であっても、この娑婆世界の中で、四乗の道を修して、四乗の果を得ることだ。四乗とは、声聞乗・縁覚乗・菩薩乗・仏乗(すなわちあらゆる仏教)である。 選択集では、道綽禅師『安楽集』の説を採用し仏教を大…