2007-01-01から1年間の記事一覧

念仏の現世利益

実体化用論の唯一の根拠はおそらく偽撰だろう。それでも、お念仏によって自分の人生がどう変わるか、という念仏の現世利益を考えていくと、実体化用論に似通った思想に漂着しがちである。その意味で、この実体化用論について考えることは大切だと思うのであ…

実体化用論

じったいけゆう【実体化用】仏の本体とその活動。聖覚作と伝えられる『大原談義聞書鈔』の第三問答に出る説で、浄土門はもっぱら往生するまでを説いて、仏の本体である真如実相とか生仏一如の理を説かないとの聖道門からの非難に答えたもの。すなわち阿弥陀…

実体化用論

おおはらだんぎききがきしょう【大原談義聞書抄】一巻(浄全一四)。聖覚撰。法然上人が一一八六年(文治二)の秋、天台座主顕真の特請によって、洛北大原勝林院において、各宗の碩学を集めて浄土宗義についての座談会が行なわれた。そのとき参集した碩学と…

新年度

気がつくとまったく更新しないまま1ヶ月以上も経っていた。この間、身体は順調に回復。新年度になり、はじめて若いポスドクの人を指導することに。こちらは優秀そうな感じで、自主的に研究を進めてくれそうなので、あまり心配していない。また、大学の卒論生…

すべてを平等に愛するには…

僕は結婚してわりとすぐ子どもができた。その妻の妊娠中のこと。 嬉しさとともに不安があった。今はこの女性ひとりを愛していればよい。しかし、同じように愛すべき子どもが生まれる。自分は、妻と子のふたりを愛せるのだろうか、と。 僕の不安をよそに、子…

学と実践

宗教について学ぶことと、それを実践するのは、まったく別物である。 お念仏の心がまえとして三心がある。三心について学ぶのと、実際にそれを心に持つのとは、まったく別である。法然上人は、ある人には三心とは何かをくわしく教えたが、ある人には「ただ往…

科学の信と宗教の信

「発掘!あるある大事典II」の納豆ダイエットの番組内容に捏造が発覚した事件に関連して、視聴者の側にも情報の取捨選択をするアタマが求められている。僕も科学者として、バラエティ番組があつかう科学情報にマユツバが多い(実験の反復数が少なかったり、…

こどもの成長

もうすぐ一歳になる長男sandだが、いつのまにか、つかまり立ちしながら歩いたり、何もないところでちょこんと正座して遊んでいたり、「赤ちゃん」から「こども」に近づいている。お姉ちゃんのlotusは、いつのまにか我が家のノートパソコンのポインタを動かす…

下流社会 新たな階層集団の出現(三浦展著、光文社新書)

これは妻が義父から借りていたのを読んだもの。 有名な本なので詳細は語らないが、アンケート調査の解析によって現代社会の新たな階層「下流階層」の出現を読み取っている。あくまで統計的処理によって見えてくるものなので、私たちのひとりひとりがどの階級…

謹賀新年

今年もよろしくお願いいたします。