読書

下流社会 新たな階層集団の出現(三浦展著、光文社新書)

これは妻が義父から借りていたのを読んだもの。 有名な本なので詳細は語らないが、アンケート調査の解析によって現代社会の新たな階層「下流階層」の出現を読み取っている。あくまで統計的処理によって見えてくるものなので、私たちのひとりひとりがどの階級…

「功徳はなぜ廻向できるの?」藤本晃(国書刊行会)

某掲示板の紹介を読んで、購入しました。 何か善いことをしたら、その人の心の中には良いものが生まれます。それが功徳です。心の中のものですから、Aさんの功徳をBさんに贈ることはできません。そして功徳はその人によい結果をもたらします。逆に悪いこと…

『「さとり」と「廻向」 大乗仏教の成立』梶山雄一

小泉八雲の「かけひき」という小説の一場面。失敗を犯したある下男が、主人に手打ちにされる。 下男「殺さないでください。もし殺したら、この恨みはきっと返してやります」 主人「ならば、恨みを見せてみよ。首をはねたあと、目の前の石に噛みついてみよ」 …

「近代日本の仏教家と戦争―共生の倫理との矛盾」栄沢幸二

椎尾弁匡(1876-1971)は大正・昭和期の浄土宗の僧であり仏教学者。 一切のものは「縁」によってできあがってゆくのであり、共生している。たとえば、この私は、先祖・両親・社会・国家などのお陰の力によって現れてきたものである。それどころか自分は、親…

「家族関係を考える」河合隼雄

家族の問題、理想的なあり方などを考えていたが、マッチする本がなかなかない。本書は表題からして僕の求めていたテーマを扱っていた。キーワードは「父性原理」と「母性原理」。社会を支える人間を教育しようというきびしい父親的原理と、無条件にその人の…