どう生きる(6)所帰・所求・去行

阿弥陀様は、僕をこの世で仏にしようというのではない。この世を極楽にしろというのではない。そんなことは祈らない。僕に凡夫の性があるから、道を踏みはずさないように、ぶじに念仏をつづけて往生できるようにと、護ってくださるのだ。
そのおかげで、凡夫は凡夫なりに、せいいっぱい家族を愛し仕事にはげんでいれば、自然と道を踏みはずすことなく生きてゆける。もし家族に対してねじまがった感情があれば、おのずとその心は修正される。もし仕事にかける心があらぬ方向をむいていれば、知らぬうちに仕事への正しい信念が生まれてくる。
僕は、たいへんあやうく生きている。いつ僕自身の煩悩に足をつかまれ引き落とされるかわからない。でも、気にしなくてよい。ただ阿弥陀様の在ることを忘れず、この身を終えてのちの往生を願って、お念仏するだけでよいのだ。