どう生きる(5)「光明歎徳章」からのヒント

阿弥陀様の光明は偉大である。無量光仏はじめ、「光」のつく十二の名でたたえられている。この光に会うと、貪欲・瞋恚・愚痴の煩悩が滅して、身心とも柔軟になり、踊りだしたいほどの喜びがおこって、善の心が生まれる。苦しみがやんで、悩みは消え、臨終ののちには解脱を得ると、『無量寿経』の「光明歎徳章」と呼ばれる部分にある。
法然上人は「逆修説法」の中で、この部分に独自の解釈をお加えになっている。すなわち十二の仏名のうち「清浄光仏」「歓喜光仏」「智慧光仏」を特にとりあげて、これを念仏者の貪欲・瞋恚・愚痴をそれぞれ消滅させる作用に配当している。
二河白道の話では、水・火の二河が貪欲・瞋恚をあらわし、阿弥陀様がそれらから護って下さるのだった。光明歎徳章では、貪欲・瞋恚・愚痴が阿弥陀様の光明によって消滅する。
家族を愛し仕事にはげむ中で自然と生まれる凡夫の悪い心は、阿弥陀様の光明が消し去ってくださるのだ。