どう生きる(4)「摂取不捨」からのヒント

阿弥陀様の光明は広く照らすけれども、とくに念仏する人には別の光が照らして、摂取し、お捨てにならない。この光とは、阿弥陀様との三つの関係(親縁・近縁・増上縁)だ。親縁とは、阿弥陀様を礼し見守られる、思い思われの、名を呼び聞いてもらう関係。近縁とは、阿弥陀様に間近に現れていただける関係。増上縁とは、阿弥陀様につもった罪を滅してもらい、臨終に来迎していただける関係。
善導大師の『観念法門』では、阿弥陀様との五つの関係を説明している。まず滅罪増上縁は、これまでに作った罪が悪い結果として現れぬよう、滅していただく関係。護念増上縁は、阿弥陀様・観音勢至・諸仏諸菩薩に影のごとく添われ、横悩から護られる関係。見仏増上縁は、静まった心の中に阿弥陀様や浄土を見せてもらえる関係。摂生増上縁は、臨終に来迎していただき、浄土へ往生させてもらえる関係。証生増上縁は、自分が往生することを知ることができる関係。
ただ凡夫のやり方で家族を愛し、仕事にはげむ。阿弥陀様とのこれらの関係によって、道を誤ることはない。