どう生きる(3)「浄土宗略抄」からのヒント

念仏する者は、阿弥陀様は言うまでもなく、六方恒沙の諸仏、観音・勢至・諸菩薩、諸天諸神によって、影のごとくに付き添われ、護られる。その護りによって、心の中の悪鬼悪神は影をひそめる。
病などの不幸に見舞われても、それによって深刻に悩むことはない。外からは重大な不幸に見えても、心では軽く受け止める。不幸中の不幸である死さえも、来るべきときが来たと受容し、ここまで年寿を延べられたことに感謝できるだろう。転重軽受・延年転寿は、心の悪鬼悪神がはたらかなくなった結果の例だ。
家族を愛し仕事に励んでいれば、必ずいろいろと悩む機会がある。護念をいただいて、さまざまな悩みから遠ざかるから、水火の二河に落ちることなく、浄土への道を歩むことができるのだ。