どう生きる(1)僕の問題意識

僕には、家族への愛がある。これは無明からくる盲目的な愛なのか。少しでも菩薩の慈悲のような愛が混じっているのか。自分では後者だと思っていても、実際には判断できない。
仕事にはやりがいを感じる。これは名誉や自尊など自己の欲望、生の快楽を享受したいという社会の欲望に駆られた行為なのか。病に苦しむ人に活路を与え、不便に窮する人に利便をもたらす慈悲の行なのか。自分では後者だと信じてはいても、実のところは前者かもしれない。
一人の凡人として、ただ一生懸命に家族を愛し、仕事に励むほかない。忘れてならぬのは、阿弥陀様の在ること。まちがった愛、欲望に駆られた勤めもあるだろう。だから阿弥陀様が在るのだ。愛欲や感情におぼれつつ自覚なく苦しみ生きる人のために、阿弥陀様は浄土を建設して、待っておられるのだ。
阿弥陀様の在ることを忘れず、ありのままに家族を愛し仕事に励んでいれば、道を踏み外すことはない。